「家庭内の不慮の事故死」は文字通り「家」と「庭」で起こった事故が原因で、1年間に死亡した人数は2010年の1年間で1万4千人あまり、「交通事故死」が7千人あまりで約2.6倍に相当します。
その原因は、「不慮の溺死・溺水」「その他の不慮の窒息」「転倒・転落」が三大死因であり、この三つで家庭内事故死全体の8割近くで、高齢者が多くを占めることが特徴です。
「入浴中の急死」の要因-寒い浴室・熱いお湯「入浴中の急死」の原因は、浴槽の中で意識障害(気を失うこと)が起こったのちに、顔が湯の中に没し溺水することのようだ。
原因①
浴槽内で熱中症が起き発汗による脱水状態・末端血管の拡張によって起きている可能性がある。
原因②
浴室や脱衣室の室温と浴槽内の湯温の温度差を背景とする血圧の急変動の結果、脳虚血等が原因で起きていることが予測される。
山形県の庄内保健所が管内の消防署の協力を得て、平成21年11月から22年10月にかけて、発生した入浴事故の実態調査を行いその結果をまとめた。調査は、「入浴に起因して発生したすべての救急搬送の要請」を対象で、調査期間の一年間に発生した件数は194件、内、死亡は42件であったが、11月~4月の半年間では128件(66%)、死亡30名(71%)となり、冬場に多く起こっている。
また実際に入浴事故が発生した日の最低気温を調べてみると、最低気温が10℃以上であった日(171日)のうち、事故が発生したのは48日(28%)であるのに対して、最低気温10℃未満であった日(194日)では事故発生日数は95日(49%)と統計的に有意な差を示している。ただし、これらは外気温であるため、「寒い浴室」を直接に示していることにならないのはいうまでもない。北陸や東北地方中南部で死亡率が高いというおおよその傾向がうかがえるが、注目すべきは北海道での死亡率の低さである。外気温が低くても暖房環境が整っていて室内温度が暖かい北海道では、「入浴中の急死」は低く抑えられているのかもしれない。
そういうことから考えても危険な環境の場合は、事故が起こらない用意をしましょう。
引用:国立保健医療科学院 統括研究官 鈴木 晃
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